第二十九回 市江・緑君の噺の会@プリモ芸術工房(洗足)
時間の使い方が下手で、GW中はそれほど落語を聴きに行けなくて残念…。
…ん…仕方ない仕方ない(←自分で自分を慰める)。
さて。
3月24日は(まだ3月の話してるという…)、以前から気になっていた
柳亭市江さんと柳家緑君さんの会へやっと行けました。
緑君さんはちょこちょこ聴けてるが、
市江さんはお初で、予備知識といえば、
香盤(相撲の番付みたいなもの)で
緑君さんより少し兄さんだということぐらいか…。
その分、どんな落語が聴けるか楽しみだった。
番組は、
「権助魚」 市江
「祇園祭(会)」 緑君
お仲入り
「松竹梅」 緑君
「花見酒」 市江
まずは市江さんの感想。
この「権助魚」は、
お国訛りが激しい飯炊きの権助が主人公の
いくつかある権助シリーズの一つ。
この権助シリーズ、個人的に大好物(笑)
市江さんの権助もすっとぼけていて大変面白かった。
で、独特の間というか、テンポ、空気感。
高座に映えるビジュアル、丁寧に聴かせる落語に魅了された。
「花見酒」は、新真打・三遊亭ときん師で初めて聴いて面白かった噺。
「花見客相手に酒を売る」という商売を思いついた兄貴分と
それに同行する弟分。
二人とものべつ金なんてない。
ツケの嵩んだ酒屋でなんとか酒を借りていざ商売へ…。
ダメ男達のだめんず(懐かしい!)まっしぐらの滑稽噺(笑)
(哀愁ある愛すべきだめんず達!)
市江さんは、先の「権助魚」同様、独特ののんびりしたテンポで進めていく。
ときん師のほんわかした雰囲気とはまた違った空気だ。
そして、そんなのんびりムードに油断しているところに
鋭いくすぐりが入ってきたりして。
大いに楽しめた。
緑君さんの「祇園祭(会)」は初めて聴く噺。
短縮版だったということだが、
とても聴きごたえのある噺で楽しんだ。
京都人のお国自慢が過ぎて、
挙句には江戸をバカにするので、
とうとう江戸っ子がブチ切れて…。
と、書くとあまり面白そうではないかもしれないが、
啖呵あり、祭囃子あり、神輿の掛け声あり
と、賑やかな事この上ない。
緑君さんは「大工調べ」の啖呵でもそうだったが、
早いテンポでポンポンポン言い立てるのがキマっている。
(一度「三方一両損」も聴いてみたい。)
「松竹梅」は、縁起の良い名前の三人が婚礼に呼ばれて、
付け焼き刃で覚えた余興を披露する噺。
三人衆がひたすらボケ倒す軽めの滑稽噺だ。
三人が隠居さんに謡(うたい)を教わる場面があり、
ここで緑君さんがいい声を聴かせる。
落語で恒例の(現代では割とエグく感じる)隠居いじりの場面では、
隠居がやり返す工夫があって、笑えたのが印象的。
ゆったりした不思議な空気の市江さん、
威勢が良くていなせな緑君さん。
そんな対照的な印象が残る二人会でした。
とても楽しみました。
演者のお二人と関係者各位の皆さんに感謝!
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