「柳家小太郎勉強会とうとう独り」@落語協会2階 17

先日、「世間は狭いな」と

つくづく思わされました。

落語や演芸関係に特化した

ツイッターのアカウントを持ってるのだけど、

そこに流れてきたツイートの中に

昔の知人の名前が。

(フォローしている噺家さんの

リツイートだったか。)


十数年前、仕事がらみで知り合った女性で、

当時、割と仲が良くて、毎夜中、長電話する関係。


その内容は、主にその女性の恋愛相談(笑)

(モテモテのイケメンを好きになってたな)


寂しかったのでしょう、互いに(笑)


結局、変な感じで疎遠になって。



で、どうやら相変わらずイケメン好き(笑)


その女性が贔屓にしてる噺家さんの顔立ちが、

どことなく、彼女が当時片思いしていた

男に似てるなぁ、なんて思ったり。


今のところ、僕が行ってる落語会と

彼女が行ってる落語会は

かぶりそうもないので、

再会することはなさそうですが、

万が一、会ったら何と言おうか。


落語に元気を貰ってる者同士だし、

「落語って面白いよねぇ」

と言い合えると嬉しいのだけど。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


3月25日は、そんな彼女が来るとは思えない

柳家小太郎さんの勉強会へ。

小太郎さん、ごめんちゃい!)


この会は、いつも沢山のお客さん。

この日もいっぱい。

でもいつもと何か違う。

通の常連さん

小太郎さん曰く「すれっからし」(笑)」よりも

若いお客さんが多い。


そうなんです。

新真打昇進襲名披露興行と重なって、

通の皆さんの多くがそちらに。

(今回、東京かわら版に掲載忘れも

関係してたのかも)


新真打昇進襲名披露興行は

噺家さんにとって一生に一度の晴れ舞台。

そして、それは順番で、

もちろん小太郎さんの昇進の暁にも

当然みんな駆けつけるはずだから仕方ない。


ということで、客層が異なる感じで、

やや初心者寄りの番組か。


心なしか小太郎さんも寂しそうに見える

と言ったら、勘ぐり過ぎか。



番組は、


「出来心」


「悋気の独楽」


休憩


「粗忽長屋」


「あたま山」


「出来心」はネタおろし。

小太郎さんは聴いてる若手の中でも

ネタ数が多い印象の人だから、

このネタを持ってなかったとは意外や意外。


この噺は、落語の所作が詰まった噺ということで、

前座さんが前半部にあたる「まぬけ泥」、

あるいは後半部の「花色木綿」だけを

よく演るので、

寄席や落語会に何度か行くと耳馴染みの噺になる。


小太郎さんの演る、ボケ倒すキャラが好きだし、

所作も、人物の位置関係も楽しめる

落語らしい噺だった。

小太郎さんには珍しく、

仕込み忘れがあったけど(笑)

(「仕込み忘れ」=後で活かす伏線が抜けること)



「悋気の独楽」は、小太郎さんの真骨頂。

(だと個人的には思っている)


この噺は、

旦那の浮気を疑ったおかみさんが

小僧を使って探らせる。

小僧が、お妾さんと旦那と楽しい時間を

過ごして帰ってきて、

そこで覚えた独楽占いを

おかみさんの前でやると…。


という噺なんだけど、

嫉妬がらみなのに、

不思議とのほほんとしてる。


とても気に入ってる。


そんでまた小太郎さんの演る、

おかみさん、小僧、旦那、お妾さんがイイ。

特に小僧の定吉の可愛いさ面白さは半端ない。



「粗忽長屋」は、

せっかちな粗忽者とのんびりした

粗忽者の対比が実に楽しい

キングオブザ古典みたいな(柳家の?)滑稽噺。

小太郎さんの「粗忽長屋」は

三度目の拝聴だったか。


「死んだのに気づかずに家に帰ってきた」

というのが当たり前な粗忽脳と、

それを変だと思う一般脳のぶつかり合い(笑)


くすぐりがパワーアップしてた印象。


死んだ当人が現れた時の

行き倒れ現場を仕切る者達の

リアクションは鉄板。



サービス精神が旺盛な小太郎さん、

この日はボーナストラック的に

「あたま山」も。

(8時撤収という鉄の掟がある、

この落語協会の2階の

勉強会で4席って珍しいはず)


この「あたま山」は、

ファンタジックすぎる噺(笑)


自分の頭に桜の木が生えちゃう男が主人公。

長屋の連中が花見をしたり、

池が出来たかと思えば夜釣り客で騒がしくなる。

ついに男は神経衰弱の末…。


こう書くとなんだかホラーみたいだけど、

全然違って、誠に馬鹿馬鹿しくて

楽しい噺なんです。


小太郎さんのは、

以前他の人で聴いたのとまた違う印象。

亭主の頭上に出来た、桜や池を近所中に自慢して

金儲けをしたがるおかみさんのキャラが
際立っていたのもその一因か(笑)

地の語りの部分で

「ついてこれてるか」と、

いったん異次元から離脱してお客さんに確認する、

その間も絶妙。


大いに笑って楽しんだ。

小太郎さん、そして関係者各位の皆さんに感謝!

落語と

連日、寄席、落語会、ホール落語に出かけて行きたいです。 その記録です。