第七回 はじめてのよるのすけ〜好きな人だけ〜@神田連雀亭39

2月21日は、三遊亭好の助さんと古今亭始さんの二人会へ。

今のところ毎月行けてる会の一つ。

この会、冒頭の二人のトークが実に楽しい。


しかし!本編というか落語になると、

ゲストも含めて、どことなくピリッとした空気が漂う(ような気がする)。

これは、おそらく、演者にとって腕試し大会の場と化すからだと思っている。

なぜ腕試し大会になるかというと、

基本的にはホストの二人が好きな人(=ゲスト)というのは

落語が面白い人とイコールになってるから。


ホストの二人からもゲストの二人からも

「良い落語」をするぞ、という熱が伝わってくる(場合が多い)。

自ずと客側の期待値も上がってる(気もする)。


なんてことを感じつつも、

四人の落語を聴いてただただ楽しんでいる。


番組は、


「近日息子」 始


「芝浜」 橘也


お仲入り


「付き馬」 小痴楽


「蛙茶番」 好の助


さんの「近日息子」を聴くのは初だったか。

小太郎さん、馬久さんのは聴いたことがあって、与太郎噺の中でも好きな噺。

さんのは他の二人とはやや印象が異なる。

息子と親父とのメインストーリーから

ちょっと横道に逸れる感じで挟み込まれる町内の連中の喧嘩。

知ったかぶりをする者とそれに腹をたてる者との喧嘩なのだが、

そこが白熱したシーンになっていて楽しませてくれる。


橘也さんはこの春(4月1日から)真打昇進。

橘也改メ朝橘師匠となる。

なので、今回は真打直前の美味しいとこどりといった趣(笑)

「芝浜」

しかも古今亭志ん朝の型。

僕が知ってる違いは大きく二つ。

主人公の名前が勝五郎ではなくて、熊五郎。

財布を拾うシーンは省かれて、熊五郎が回想してカミさんに聞かせる。


橘也さんの「芝浜」、風景や心理描写が細かい印象。

サゲは人によって「また夢になるといけねぇ」の言い方は様々だが、

橘也さんのは神妙な様子。

その前の酒との再会シーンがめちゃくちゃ嬉しそうなので

そのギャップの効果。

濃厚というか重厚な「芝浜」でした。

聴けて良かった。


仲入り後は小痴楽さん。今もっとも若い女性ファンがついてる、言わずと知れた

二ツ目落語ブームを牽引している成金メンバー。

彼と共演する(イケメン以外の)人は、ちょっと卑屈な感じのことを言うのがお約束(笑)

そして肝心の落語だけど、これが上手い。

「付き馬」は好の助さんのリクエスト。

「居残り佐平次」、「突き落とし」と並んで「廓噺の三大悪」と言われている噺で、

吉原での支払いに不足があった者に付けられる借金取りを「付き馬」と言ったのだとか。

その付き馬をまんまと騙す、いわゆる口の上手い詐欺師の噺。

軽薄そうでパーパーパーパー喋る男が、

ビジュアル、口調、小痴楽さんにドハマり(笑)

でもこれは立派な話芸。

後半、ほんのちょびっとだけダレた感もあったけど、

大いに笑わせてもらった。


トリは好の助さん「蛙茶番」。

これは完全にちんちんがメインの噺。

結構ご年配のご婦人方にウケる噺。

好の助さん、若い女性客の前で、この噺。。。

きっとわざとだろうね。。。。(笑)


素人芝居の裏方をすることになった男が、

ふんどしを付け忘れてるのに気づかずにふんどし自慢をしまくる、

フルチンの噺です(笑)


この噺のマクラが、好の助さんがエステに行った時に

ハミチンしていて、それをエステティシャンに笑われた話だから、

直球すぎて吹き出してしまった(笑)


噺の中で男がふんどし自慢をする時に

「どーでぃ!」

と言うのだが、個人的に、この言い方が大好き。

彼のブログでは、この言い方に反省要素があったと書いてあるけど、

僕はあれがイイので修正して欲しくないのだが(笑)



と言うことで四者四様、とても楽しんだ。

感謝!