西新宿ぶら〜り寄席 柳家緑君ひとり会2@ミュージック・テイト西新宿店4

ここでひっそりと落語日記と称して行った会の記録をつけているけれど、

昨今のブームとは違う若手さんを贔屓にしているかもしれないので、

そういう期待があって読みに来てくれた方には

たいへん申し訳ないです。


ギラギラ系の若手さん達

(って、どういう感じか伝わりづらいかな)

の落語は聴いたら面白いのは

わかっているのだけど、

歳のせいか、どっちかと言うとのほほんとして

そうな人が好み。

焼肉でいうと、若いうちはいっぱい食べられた

カルビよりも

ホルモンを好むようになった感じか。違うか。


2月8日は、11月に引き続き、

柳家緑君さんの独演会へ。

前回の時も書いたけど、

落ち着いてるとはいえ、

緑君さんもまだまだ二十代なので、

時折ギラッとしたところがある。

けど、全体的にはのほほん系(笑)

開演前に、他の会でもお見かけするお客さんとお店の人、

そして緑君さんを交えて

少し話す時間があったが、とても楽しかった。


人柄はのほほん系の緑君さんだが、

落語となると一転、凛々しい一面も。

渋みのある声と気風の良い啖呵に

惹きつけられることがしばしば。



番組は、


トーク


「湯屋番」


休憩


「江戸の夢」


緑君さんは、2月12日に行われた

「第16回 さがみはら若手落語家選手権 

予選第3回」に出場、

惜しくも予選敗退となったのだけど

(このブロックでは小太郎さんが決勝へ進んだ)、

その予選会で演る自信ネタ「湯屋番」。


「湯屋番」は、若旦那が番台で
一人で妄想に耽る噺。

彼の「湯屋番」を聴くのは二度目。

一度目聴いた時もそうだったが、やはり面白い。


気持ち悪さ全開の昇々さんのも、

女流としてはかなり思い切った顔芸が

強烈なぴっかり☆さんのも

気に入ってるが、緑君さんのも負けてない。

古典のままというか、

オーソドックスな「湯屋番」だけど、

顔芸、アクション、婆やの声色が特筆。

(「さがみはら〜」は残念だったが)


そして「江戸の夢」という噺がすごかった。

この噺、全然知らなかったので、

少し調べて見たら、

元々は歌舞伎のために書かれた話で、

宇野信夫氏の作。

六代目三遊亭圓生師のために

落語化されたのだとか。


歌舞伎好きの緑君さんらしい

渋いセレクトと言える。

内容がまた実に粋。

それでいて心温まる。


「ちょっと素性が知れないところがあるが、

よく出来た娘婿。

孫もできて幸せにのんびり暮らしていたある日、

老夫婦が江戸見物に行くことに。

その江戸見物のついでにと、

娘婿に用事を頼まれるが…。」


鄙びた田園風景雑然とした都会の風景

ハレ

日常非日常


「湯屋番」と打って変わって、

穏やかで朴訥な語り。

どっぷり噺に引き込まれて、

(月並みな言い回しになってしまうが)

本当に一幕の良質な映画(小津映画かな)を

観たような心持ちに。


大いに笑って、あったかい気持ちにもなった。

感謝しきり。

落語と

連日、寄席、落語会、ホール落語に出かけて行きたいです。 その記録です。