「カリーズ寄席」@cafe kariz(麻布十番)(7)

2月12日の午前中に行った落語会は、

宣伝していない地元に根ざしたものなので、

詳細は割愛しますが、

二ツ目の若手噺家さん三人が出演する会で、それぞれ、

「一目上り」、「荒茶」、「松曳き」

を演ってくれた。

ご年配のお客様が多い中、三席とも大いにウケてたし、

僕も大いに笑って、とても幸せな時間でした。

感謝。


そして13日の夜は、落語協会2階で行われてる、

柳家小んぶさんと柳家緑君さんのトークライブ

「第1回 黒門町タップ」(毎回タイトルを変えてて、毎回「第1回」)へ。

こちらはほぼ宣伝してないシークレットライブ状態の会。

内容的にはシークレットにしてた方が良い気もする黒柳家話もちらほら(笑)

しかしやはり、お客さんが増えて欲しい気持ちもある。

落語がないので、落語ファンには物足りないような気もするのですが、

落語漬けのファンには、ちょっと箸休め的な効果があるゆるい会です。

落語に触れつつも、面白い話が聴ける会で、おすすめです(笑)



そしてそして、16日は、毎月恒例の

柳家花いちさんと春風亭昇羊さんの二人会「カリーズ寄席」へ。

僕が行きはじめてから一番お客さんが多かったかも。

(以前から、増えたり減ったり増えたり…してるようですが)


番組は、

新作「抜歯屋」 昇羊


「浜野矩随」 花いち


お仲入り


新作「おみっちゃんと僕」 昇羊


新作「暴走サービス(仮)(タイトル不明)」 花いち


まずは、昇羊さんの二席の感想。二席とも彼自身の作。

一席目の「抜歯屋」は、もしもそういう商売があったらという設定のようだけど、

発想がいいですよね。

しかも、男の下心につけこむ女の噺で、古典と通ずるというか、不変の題材を扱っている。

おまけに「鼻血ブー!」という昭和のリアクションを

効果的に入れ込んで爆笑を誘ったり。


二席目の「おみっちゃんと僕」は、聴きたかった噺で、ようやく聴けたという

喜びとともに拝聴。

簡単にいうと、うざくて勘違い野郎の「僕」と、

猫を被っている女子「おみっちゃん」とのズレを笑いにした噺。

「おみっちゃん」という古典風の名前がなんとも良い。

そして、舞台は、(良い意味で期待を裏切られる)現代の飲食店。

特に目をみはるのが、主観を違う人物に変えて大胆に時間を巻き戻すという仕掛け。

同じ状況をなぞるだけなのに加速度的に笑いが増幅。

お見事の一言。


そして花いちさんの二席。

「浜野矩随」は、12月の「観笑地帯」で、

新作「暴走サービス(仮)(タイトル不明)」は1月の「観笑地帯」で、

それぞれ拝聴した噺。


花いちさんは、大根多の人情噺に果敢にチャレンジする傾向がある。

「いつ演るの?今でしょ!」

若手の時から研鑽して行くのは良いことだと思う。

「子別れ」、「徂徠豆腐」、「芝浜」に続き、「浜野矩随」も

現時点で、彼にしか出せないものが確実にある。

前回は印象に残らなかったが、

「矩随が命がけで彫り物をしているシーンでの、母親が隣の部屋で祈願している声」

が今回はなぜか印象に残った。


そして、新作がすごかった。

前回と同じ噺なのだが、短期間で噺がブラッシュアップ、

いや、バージョンアップされていた。

パートのおばさまが一人増えてたし(笑)

癖のある客が全員実は…という設定に変えてたり、

店長の暴走ぶりが加わったり、サゲも違ったり。

爆笑につぐ爆笑。さすが。

これも定期的に高座にかけて欲しい新作の一つになった。


今回は、二人ともものすごく爆笑をかっさらっていった印象。


大いに笑いました。感謝!


(お客さんの爆笑で麻布の街が揺れている、の図…)