第24回 古今亭始 連雀勉強会@神田連雀亭29
出会った噺家さん全員に楽しませてもらったけれど、
古今亭始さんも特に今年大変楽しませて頂いた噺家さんの一人です。
ちょっとすさんだような気分になった時、和らげて頂き本当に感謝。
昨日の始さんのブログでは「連雀亭」大掃除の模様がアップされていて、
連雀亭は僕もすでに30回以上行ってるし、
きっと人生の思い出の場所のひとつになるところなので、
ああして大掃除をされている二ツ目さん達を
好きになってしまう。
なんか単純みたいだけどそれが人情だと思う。
さて、11月29日はそんな始さんの勉強会へ。
先月行けなくて残念でしたが、
通っている会のひとつになっている。
番組は
前座・金原亭駒六 あわびのし
始 辰巳の辻占
ゲスト・柳亭市童 大工調べ 上
お仲入り
始 小言幸兵衛
小はださんが前座になって寄席に出るようになってから、
このレンベンは駒六さんが前座に。
何気に人気の前座さん。
可愛いらしい男の子だから人気なのもわかる(笑)
特徴のある語り口がなんともおかしみがある。
「あわびのし」は、嫁に、わらしべ長者的な知恵をつけられた旦那が、
失敗するが大逆転が待っている噺だが、
今回は最後のひと展開を残してのサゲだった。
楽しませて貰った。
始さんの「辰巳の辻占」は、僕の地元に縁がある噺。
江戸城から辰巳の方角にあった辰巳という町。
辰巳芸者の辰巳。
「辰巳の女に入れあげた男が、
女の気持ちを確かめるために…」
という滑稽噺。
題名の「辻占」は、
女の店にあった「占いが入った煎餅」から。
フォーチュンクッキーが江戸にあったのだと驚く。
こういうちょっとした場面(占いが暗示しているのだけど)から
題名をとっているのもこの噺の良さだと思った。
ところで、始さん、噺に出て来る軽い女がとても上手い(笑)
そういう女を見て来たのだろうか(笑)
そういうわけで、始さんの噺でもトップ3に入ると思った。
(あくまでも個人的に)
これがネタ下ろしなのだから今後もっと良くなるだろう。
とても楽しみだ。
ゲストの市童さんの「大工調べ 上」は、
与太郎も上手いし、大工の棟梁も大家も上手。
緑君さんの啖呵の迫力には負けるが、
ご隠居とか大家とかの、しかも嫌みな感じがもの凄く出ていて、
噺に惹き込まれる。
とても楽しめた。
そしてトリの「小言幸兵衛」は、始さんが他で演ってるのは知っていたけど、
やっと聴けた。
題名そのままに、小言が好きな幸兵衛の噺(笑)
この幸兵衛、妄想癖がすごく、一人芝居が始まり、盛り上がる。
噺自体も面白いし、
始さんのあのテンションで演るのだから
間違いない。
湯屋番とかこの噺とか、演る人によっては
ちょっとひくというか、
ぶっちゃけ全然面白くない時がある。
始さんには合ってる。
楽しませて貰った。
余談
小里ん師の本によると、五代目小さん師曰く、
「お客が噺家の長所を褒めるのはよくない」のだそうだ。
談志師も確か書いていたけど「ほめ殺し」になるようだ。
僕なんかがここでこうして書いてたり、言うくらいでは
噺家さんがダメになるということはないだろうが、
ちょっと気をつけようかと思う。
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