新版 三人集@上野鈴本演芸場 2
11月18日は、「寄席DAYパート53 鈴本特選会 一蔵・市弥・小辰 同期の会
新版 三人集」
春風亭一蔵さん、柳亭市弥さん、入船亭小辰さんの三人会である。
この三人はこの前「子別れ」のリレーを演る会があったけど、
聴きのがしたので今回リベンジ。
ひとりひとり良い印象で、その三人が集まっているのだから、
会として気になって仕方がないから前売りを購入。
(気さくなテケツ売り場の人に、
「こっちの席の方が良いんじゃない?」
とか言われるがままに(笑)実際、良い席で、感謝した。
やはりプロのアドバイスは素直に聞くべきだと痛感。)
番組は、
開口一番 「雑俳」 前座・橘家 門朗
「転宅」 入船亭小辰
「らくだ」 春風亭一蔵
お仲入り
ゲスト「長短」 柳亭市馬
「御神酒徳利」 柳亭市弥
前座の門朗さん、威勢の良い語り口。しっかりと開口一番の役割を果たした印象。
小辰さんの「転宅」、相変わらずのイケボ(イイ声)だし、心地よいテンポ、
キャラの使い分け。たまらない。
この噺は「金持ちの妾宅に入った泥棒が、まんまとその妾に騙される」という滑稽噺。
彼を聴くのは四席目だが、一番良かったかも。(「鰍沢」と迷うが)
そして、なぜか前座の門朗さんではなく、朝之助さんが出てきて、
めくり、座布団など前座のお仕事。これはあとで一蔵さんのブログで
「一蔵兄さんの晴れ舞台のためにお手伝いしたい」一心だと判明。
もう、こういう男気に触れると、すぐ潤っときちゃう。
一蔵さんの「らくだ」もたまらない。
乱暴な男に良いように使いっ走りにされていた、気の弱い屑屋の
酔った後の豹変振り。そのギャップが圧巻だった。
いつもだと思うが、今回も凄く熱の入った一席だった。
(焼き場まで行かずに、乱暴な男を使いっ走りにするとこでサゲ)
落語協会会長にして、市弥さんの師匠・市馬師の「長短」。
せっかちで気の短い男がいる長屋に
おっとりした気の長い男が遊びに来る。
市馬師、瞬時にこの光景が浮かぶ空気を作る。
浮かぶというか、ひとりで喋っているのに
目の前に二人いる。
自然な語り口、間が笑いを誘う。
マクラで、先代の正蔵&小さんの両師匠のエピソード、
正蔵師の高座での踊りのエピソードをふって、噺に。
一席後立ち上がって踊り。
「深川」を女がたのとこ、(しまい(?))まで。
良かったなぁ。
(NHKの落語番組のサイトでも「長短」が
動画でアップされているので、聴きたい方はぜひ。)
トリの市弥さんの「御神酒徳利」、長い噺なんだけど、これまた良かった。
市弥さんの声も渋くて良い。そしてなんだろ、あの独特の力の抜けた感じ。
師匠ゆずりだろうか。
誤解を恐れずに言うなら、
最初は「ヘタなのかな?」と思うのだけど、
どうも違う。だんだんとても聴き心地が良くなる。
そんな印象。
機会があれば、もう一度聴きたい。
観た事のない、
いや、自分だけが観られる映画を堪能した気分。
とても良い会だった。
著名な評論家の方と写真家の方の姿をみかけた。
それほど注目されている三人会だったということか。
通好みの会だったのかもしれない。
でも、僕のような初心者も楽しめた会でもあった。
「通も初心者も楽しませることは難しい。それが出来るのが上手い人」
のようなことを談志師が書いてる。
だとすると、今回は限りなくそれに近かった
三人だったのではないだろうか。
余談
今回おみかけした広瀬氏、地上波のテレビ番組でも拝見し、
「一年に360日、生の落語を聴く」とおっしゃっていた…。
凄い…。
僕は今のペースだとおよそ半分くらいか…。
それにしても残りの落語に行かない5日が気になる…。
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