「カリーズ寄席」@cafe kariz(麻布十番)(4)

寄席、落語会、ホール落語に行った感想を綴ります。

今年の6月から、念願だった「生落語」に行くようになった初心者です

(「生」じゃない落語は二十代後半から好き)。

主に、二ツ目の噺家さんの会に行ってます。

最初は見境なく突入してましたが、最近ではやや分別がついてきたのか、

好みが偏ってきたのか、

お気に入りさんの会を中心に。

(それでも10人以上はいるし、まだまだ増えそうですが…)


過去記事はこちら(LINEBLOG)

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11月11日は、「カリーズ寄席」へ。



これは柳家花いちさんと春風亭昇羊さんの二人会で、毎月行われている会。

僕は今回で三度目、三ヶ月連続出席(笑)

三回目なのに地下鉄の出口を間違えて、六本木寄りに下りてしまった。

するとそこは光の国…。光り輝くやや怪しげな建物とその前にいる黒服の面々。

(たぶんクラブです)

冷や汗を垂らしながら、ポケットにある水木しげるの文庫版漫画の重みを感じながら、

そんな夜の六本木から逃れるように急いで目的地を探すはめに。

会場に無事に辿り着くと、先月まで無かった、大画面TVが高座の後ろに備え付けてあった。


番組は、

昇羊さん 自身の新作 「単眼鏡奇談」

花いちさん 古典 「荒茶」

お仲入り

昇羊さん 古典 「狸賽」

花いちさん 自身の新作 「お父さんと呼ばれて(仮)」

トーク


昇羊さんを聴いていて、個人的に気に入ってるのは、マクラと噺のトーンが同じところ

(伝わらないかな…)。

そしてこれまで彼の新作は「二人だけの秘密」、「金の斧銀の斧」、「風邪泥」などを聴き、面白いなと思っていた。今回の「単眼鏡奇談」も良かった。

古道具屋で見つけた単眼鏡にまつわる噺。幽霊、恋愛の要素があり、

古典「お菊の皿」の大幅な改作的な雰囲気もある。

「湯屋番」のように一人で妄想に耽る

(ひとりキチ●イものというらしい)場面もあってユカイ。

「狸賽」はトントントントンとこぎみ良く進んでいき、

すっと噺に入りこめた。

狸とのやりとりとサイコロを振る手つきが素晴らしく、終始楽しい。

サゲにご婦人方の心をがっちり掴むジェスチャー付き(笑)


花いちさんの「荒茶」は、茶の作法を知らない戦国武将達が、

唯一作法を知ってる武将の見よう見まねをする噺。

彼の武将噺は初めて。お茶を回し飲みするのだけど、それがとんでもないことになっていく。

光景がばっちり浮かんで笑えるのだけど汚いのなんの(笑)

やや彼らしくないくすぐり多めだったので、

今後どう変わっていくかとても楽しみな噺になった。

新作「お父さんと呼ばれて(仮)」は

先月の「観笑地帯」で

聴いたばかりなのに爆笑させられた。

家庭訪問する先生が主人公で、一軒目、二軒目と訪れた先で…となる噺。

前回聴いた時も彼らしいユーモアとペーソスが混在する噺で大いに笑った。

今回はさらに磨かれていた印象。

特に、主人公の元妻(二軒目に登場)のキャラが色濃くなっていて楽しかった。

元妻との「離婚の原因」がわかる場面も、流れや間が秀逸。

一軒目の賄賂的な「一万円札で折った鶴」も大好き。


お開き前のトークでは、前回の会の後に二人で「光の国」を探検した話。

つまりクラブデビューをした話(笑)

偶然、来る前に出口を間違えたおかげで、二人のトークの臨場感がハンパなかったです(笑)