「浪曲 男はつらいよ を聴く会」@浅草木馬亭
11月5日(土)は、
「浪曲 男はつらいよ を聴く会」(18:00〜 ¥1800)へ。
木馬亭も浪曲も初めて。
浪曲とは浪花節とも言って、浪花節の方が馴染みのある言葉ですよね。
落語は「話す」。講談は「読む」。義太夫は「語る」。浪曲は「うなる」。
講談に近い感じで物語が進む中で見せ場のような場面で三味線に合わせて唄うんだけど、
それを「うなる」というらしい。
子供の頃観たお笑い番組でよく「玉川カルテット」が出ていて、
「♪金も入らなきゃ女もいらぬ〜わたしゃも少し背が欲しい〜」
と聴いたがあれがまさに浪曲だったな、と気づく。
どうしてこの会に行ったかと言うと、理由は単純、寅さんファンだから(笑)
同じような理由で来た人も多く、木馬亭は満員。
会場前から長蛇の列。ご年配の方だけじゃなく、同年代と思しき男女、
若い(ややサブカル系の)男女も沢山。
木馬亭のスタッフさんの威勢が良く、ちょっとしたお祭り気分だ。
番組は、
「秋田の蕗物語」 富士実子
「寅さん故郷へ帰る」 玉川太福 曲師・伊丹明
ゲスト 活動写真弁士・坂本頼光
無声映画「血煙高田馬場」(昭和3年)、
無声映画「モダン怪談100,000,000円」(昭和4年、斎藤寅次郎監督の喜劇)
お仲入り
「恋する寅さん」 玉川太福 曲師・伊丹明、玉川祐子
実子さんの「秋田の蕗物語」は忠義の話。
公の場で侮辱された殿様の家来が命がけで汚名返上する話。
やはり見せ場で「うなる」。
聴き慣れてないせいで、最初は急にうなり出すのに違和感があったが
「ぐっとくる心情」をうなっているわけか、と熱を帯びて入り込めた。
太福さんの「寅さん故郷へ帰る」、「恋する寅さん」は、
どちらも映画「男はつらいよ」の一作目の内容。
浪曲用に前後編にしたのだろう。(やや内容も変わってる)
元々は太福さんの大叔父にあたる師匠が演っていたネタだそう。
浪曲は落語のようにネタが伝わっていかない世界で、今まで眠っていたのだとか。
今回は、曲師・玉川祐子さん(94歳)の計らいもあり、実現。
しかも、太福さん、
「こそこそと小さい所で演るより、どうせなら堂々と演りたい!」
ということで、山田洋次監督に手紙を書いて返事を貰って、
見事公認講演となった。(太福さんのブログにも詳しく書かれてます)
寅さんの20年ぶりの帰郷、妹さくらの結婚、幼なじみの女性に恋して失恋…。
シリーズの旨味がぎゅっと凝縮された一作目を、
泣かす「うなり」で改めて堪能出来た。
「恋する寅さん」では三味線2本。これはかなり珍しい事だとか。
貴重な場面に遭遇出来て嬉しかった。
ゲストの活弁士の坂本頼光さんの無声映画解説も文句なし。
珠玉のエンターテイメントだと思う。
大いに笑った。
この人は、「鷹の爪団」とかアニメの声優としても活躍してたり、
生粋の水木しげるファンで、活メーションとして
水木マンガのネタもある(ぜひ聴きたい!)、
イラストレーターやアニメーターのようなこともやるバイタリティに富む人。
(師匠は山本竜二さんというから底知れない…)
とにかく何もかも初めて尽くしで大興奮の会。
なんか昭和にどっぷり浸かった感も(笑)
出演者、関係者の皆さんに感謝して夜の浅草をあとにしました。
(↑土曜日のせいか、夜の浅草は人が多い。飲み屋通りも大盛況だったナ)
余談
立川志らく師のネタに「男はつらいよ」の落語版があるそう。
しかもシリーズ全編(48作分!)を2時間で。
機会があればこれもぜひ聴きたい。
余談2
帰り際、席を立って隣の方を見ると、お綺麗な女性。
でもジャージパンツでやや個性的な感じ。
近くで何か演ってた芸仲間の人かなと思ったが、
シンガーソングライターのジョンファさんという方だと判明。
(この会についてツイートしてたんです)
この方の曲も何曲か聴いたが良かった。
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